bajo la luz de la luna
「緊張してんのか?俺らはお前の兄貴より10以上若い“ガキ”だぜ?年も近いんだから、そう構えるな。」

「そ、そういう訳にはいきません!お二人共自分より年上ですし、偉大な方ですから!!」

「ん?何だよ、日本語上手いじゃねぇか。スペイン語練習してきて損したぜ。」



 焦る少年を目の前に、クスクスと笑い出す我が婚約者。人を緊張させるのも、その緊張を解くのも巧い。つくづく不思議な人だ。

 群が片手を伸ばすと、黒髪の毛先がスイングした、長めのウルフカットの少年――ルイ・アルバラードが、その手をしっかりと握り返した。



「同盟ファミリーになるんだし、これからよろしく頼むぜ。ルイは11だったか?」

「はい、11です!こちらこそ、よろしくお願いします。急にボスになると分かった時はとても不安で……貴殿方が同盟を組んで下さると聞いて、本当に安心しました!」



 柔らかい笑顔を見せた彼は大人びているとはいえ、笑えばやはり年相応の11歳の少年だ。アタシも、もしかしたらそうなのだろうか。

 彼は、まだ初々しさを残した視線をアタシに移す。群の隣まで歩いていけば、彼と握手していた少年の手がゆっくりと伸びてきた。
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