bajo la luz de la luna
アタシの心の声を聞いたからなのかは知らないが、群は「俺は常に自分の思う通りに生きたい人間なんでな」と言い、不敵に笑う。その心意気には賛成だけれども、彼の部下が少々気の毒になった。
エンゾさんは群の兄弟のような人で、彼より10歳程年が上だったように思う。八年前に群を日本からイタリアへ連れてきて、マフィアの世界へ導いた張本人。彼の行動が、後に群とアタシを引き合わせたということにもなる訳だ。ちなみに、エンゾさんの“口説き文句”は「大切なものを守りたいか?」だったと聞いている。個人的に、なかなか上手い誘い方だと思う。
「お、あの人がエリオさんとルイの親父さんか。確か70代だったか?元気なもんだな。」
群の言葉で壇上に目をやれば、しゃんと背筋を伸ばし、威風堂々と歩いてくる老夫が一人。エリオさん達の父・イグナシオさんだろう。厳しそうだが、懐には優しさを持っていそうだ。壇へと続く階段の側にある長机の所では、母のエマさんらしき女性が、息子達とにこやかに何か話している。
端から見れば、とても温かい家庭だ。故ホワン・アルバラードはどうやら突然変異だったらしい。色々な欲が、余程強かったのだろう。
エンゾさんは群の兄弟のような人で、彼より10歳程年が上だったように思う。八年前に群を日本からイタリアへ連れてきて、マフィアの世界へ導いた張本人。彼の行動が、後に群とアタシを引き合わせたということにもなる訳だ。ちなみに、エンゾさんの“口説き文句”は「大切なものを守りたいか?」だったと聞いている。個人的に、なかなか上手い誘い方だと思う。
「お、あの人がエリオさんとルイの親父さんか。確か70代だったか?元気なもんだな。」
群の言葉で壇上に目をやれば、しゃんと背筋を伸ばし、威風堂々と歩いてくる老夫が一人。エリオさん達の父・イグナシオさんだろう。厳しそうだが、懐には優しさを持っていそうだ。壇へと続く階段の側にある長机の所では、母のエマさんらしき女性が、息子達とにこやかに何か話している。
端から見れば、とても温かい家庭だ。故ホワン・アルバラードはどうやら突然変異だったらしい。色々な欲が、余程強かったのだろう。