bajo la luz de la luna
ザワザワしていた来賓達もやがて静かになる。壇上からの張りのある声が、それぞれの耳を貫いたからだ。
『お集まりの皆さん。本日はクレオファミリーボスの就任式へお越し下さり、ありがとうございます。
私は17代目ボスだったイグナシオ。この式では司会を務めさせて頂きます。どうぞよろしく。さぁ、堅苦しい挨拶は抜きにして、さっさと就任の儀式を終わらせようじゃないか!』
会食ではくつろいでくれという意が込められた、ユーモアに富んだ一言。室内には勿論笑いが起こる。イグナシオさんが手招きすると、中央へと現れる幼い男の子。口を一文字に結び、凛とした顔でアタシ達の前に姿を見せた。
イグナシオさんが傍らの机の上にある、クレオの紋章が刻まれた茶色い箱の中からネックレスを取り出す。太い銀の鎖には、大振りの十字架とだ円形のプレートがぶら下がっている。プレートには聖書の“創世記”の箇所を彷彿とさせる、天地――大空や草木・光と闇が、神によって造り出されているという絵。“創造する”という意味の彼らのファミリーネームにはまさにぴったりだ。
“自分達が世界を創る”。その意志が、何代にも渡って受け継がれてきたのだろう。
『お集まりの皆さん。本日はクレオファミリーボスの就任式へお越し下さり、ありがとうございます。
私は17代目ボスだったイグナシオ。この式では司会を務めさせて頂きます。どうぞよろしく。さぁ、堅苦しい挨拶は抜きにして、さっさと就任の儀式を終わらせようじゃないか!』
会食ではくつろいでくれという意が込められた、ユーモアに富んだ一言。室内には勿論笑いが起こる。イグナシオさんが手招きすると、中央へと現れる幼い男の子。口を一文字に結び、凛とした顔でアタシ達の前に姿を見せた。
イグナシオさんが傍らの机の上にある、クレオの紋章が刻まれた茶色い箱の中からネックレスを取り出す。太い銀の鎖には、大振りの十字架とだ円形のプレートがぶら下がっている。プレートには聖書の“創世記”の箇所を彷彿とさせる、天地――大空や草木・光と闇が、神によって造り出されているという絵。“創造する”という意味の彼らのファミリーネームにはまさにぴったりだ。
“自分達が世界を創る”。その意志が、何代にも渡って受け継がれてきたのだろう。