魔法使い、拾います!
「リュイ。申し訳ありませんが水を一杯いただけませんか?」
「あ、お水ね。ちょっと待ってて。」
横になっているヴァルが起き上がるのを確認し、リュイはキッチンから水を入れたコップを差し出した。
「ありがとうございます。」
ヴァルは手に持ったコップに、プルプルと震える腕で魔法の杖をかざした。リュイにとっては非日常的な光景であるが、ヴァルにとっては杖を使うことが日常のようである。
これからコップの水に魔法をかけるのか、と思うとリュイは瞬きも忘れるほどに杖を見つめた。先程の魔法で衝撃的な移動を遂げたばかりなのに、新しい魔法をこの目で見られるのだ。
ヴァルが今度はどんな魔法を繰り出すのかと、興味津々で待った。すると、またも杖から七色の光が這っていく。
「変幻。」
移動の時もそうだったが、たった一言ではあるけれど、まるで音楽を奏でるかのような声でヴァルは唱える。その言葉は心地よくリュイの耳に残る。
コップの水に何がおこったのか、見た目だけでは分からない。リュイには何の変哲もないただの水に見えた。
水を口に含むときに、顔をしかめている姿が見ていて痛々しい。ヴァルの口の中は傷ついているのだろうと想像できる。それでも時間をかけてヴァルは水を飲み干し、ふぅと一息吐いた。
「あ、お水ね。ちょっと待ってて。」
横になっているヴァルが起き上がるのを確認し、リュイはキッチンから水を入れたコップを差し出した。
「ありがとうございます。」
ヴァルは手に持ったコップに、プルプルと震える腕で魔法の杖をかざした。リュイにとっては非日常的な光景であるが、ヴァルにとっては杖を使うことが日常のようである。
これからコップの水に魔法をかけるのか、と思うとリュイは瞬きも忘れるほどに杖を見つめた。先程の魔法で衝撃的な移動を遂げたばかりなのに、新しい魔法をこの目で見られるのだ。
ヴァルが今度はどんな魔法を繰り出すのかと、興味津々で待った。すると、またも杖から七色の光が這っていく。
「変幻。」
移動の時もそうだったが、たった一言ではあるけれど、まるで音楽を奏でるかのような声でヴァルは唱える。その言葉は心地よくリュイの耳に残る。
コップの水に何がおこったのか、見た目だけでは分からない。リュイには何の変哲もないただの水に見えた。
水を口に含むときに、顔をしかめている姿が見ていて痛々しい。ヴァルの口の中は傷ついているのだろうと想像できる。それでも時間をかけてヴァルは水を飲み干し、ふぅと一息吐いた。