魔法使い、拾います!
重厚感のある調度品でまとめられた品の良い部屋に、何の前触れもなくリュイとジョナが姿を現した。
カタの林に居たはずのリュイは、連れて来られた室内のインテリアに圧倒された。なんて素敵な部屋なのだろう。格が違うとでも表現すればいいのだろうか。自分の家と比べてみても一目瞭然の広さであり豪華さである。
「お……父様!……その方は?」
リュイの耳に可愛らしいソプラノの声が届いた。声のする方に顔を向ける。リュイよりも小柄な、少女のような雰囲気の女性が、ソファーから立ち上がってこちらを見ていた。よく見ると足枷で行動の自由を奪われているようだ。きっと、この女性がティアなのだろう。
「あぁ、待たせて済まなかったね。このお嬢さんと居れば、ヴァルは直にここへ来るはずだよ。招待状を残してきたからね。」
「ヴァルとはちゃんと話をさせて。お願いよ。ヴァルに会わせてくれるなら、もう逃げる必要もないわ。足枷を解いて。」
「あぁ、勿論そのつもりだよ。」
ジョナが『破壊』と言って杖をかざすと、足枷は木っ端微塵に砕け散り跡形もなく消えた。女性はホッとした表情で足首をさする。
少し二人の会話に間が開いたので、遠慮がちにリュイは聞いてみた。
「あの……。ここは?」
否応なしにここへ連れてこられたリュイには、この状況がよく理解出来ていなかったのだ。
カタの林に居たはずのリュイは、連れて来られた室内のインテリアに圧倒された。なんて素敵な部屋なのだろう。格が違うとでも表現すればいいのだろうか。自分の家と比べてみても一目瞭然の広さであり豪華さである。
「お……父様!……その方は?」
リュイの耳に可愛らしいソプラノの声が届いた。声のする方に顔を向ける。リュイよりも小柄な、少女のような雰囲気の女性が、ソファーから立ち上がってこちらを見ていた。よく見ると足枷で行動の自由を奪われているようだ。きっと、この女性がティアなのだろう。
「あぁ、待たせて済まなかったね。このお嬢さんと居れば、ヴァルは直にここへ来るはずだよ。招待状を残してきたからね。」
「ヴァルとはちゃんと話をさせて。お願いよ。ヴァルに会わせてくれるなら、もう逃げる必要もないわ。足枷を解いて。」
「あぁ、勿論そのつもりだよ。」
ジョナが『破壊』と言って杖をかざすと、足枷は木っ端微塵に砕け散り跡形もなく消えた。女性はホッとした表情で足首をさする。
少し二人の会話に間が開いたので、遠慮がちにリュイは聞いてみた。
「あの……。ここは?」
否応なしにここへ連れてこられたリュイには、この状況がよく理解出来ていなかったのだ。