魔法使い、拾います!
「国同士が決めた政略結婚ですもの。残念だけど私ごときが抵抗したって、聞き入れてはもらえなかった。悲しかったけど愛する人とはお別れをして、それなりの覚悟を持って嫁いできたつもり。結婚式で初めて陛下にお会いした時、お優しい方なのだなってほっとしたわ。」
シャルロットはティアの方を見てニコッと微笑む。ティアには本心からの笑顔に見えた。
「でも、いざ、夜の大事なお役目を果たそうとすると……。だめなのよ。どうしてもあの人の事が浮かんできてしまって……拒んでしまうの。陛下はお優しい方だから私を許してくださるのだけど、その度に気持ちを切り替えられない自分が嫌になって。お世継ぎを生せなければ王妃で居る意味がないのだし。不謹慎だけど、いっそのこと側室制度があれば良かったのにと本気で思ったわ。」
ティアは話し終えた様子のシャルロットに問いかけた。
「ご苦労とご心労は胸に響きました。お辛い思いを抱えてこの国へ参られたのですね。お察しいたします。ですが、今のお話と今回の話がどう繋がるのですか?」
「二・三日前かしら。陛下が悩んでいた私に、そんなに辛いのならスフランに帰ればよいと仰って下さって。そんな時、丁度あなたの話が舞い込んだのよ。」
「そのようなこと、簡単に出来ることではないと愚考いたしますが。」
「それがね。詳しいことは分からないのだけど、陛下と北の守護長が裏で手を回して下さって。実現出来るようなのよ!それにあなたは一介の魔法使いでいるより地位も上がるわ。だって王妃の椅子に座るのよ。婚約白紙の汚名返上にもなるのだし、一石二鳥どころか三鳥くらいではなくて?」
「いえ……。私のような者がシャルロット様の代わりになどなれません。婚約が白紙になるというのも今知ったくらいなのですから。」
ティアは下を向き、わなわなと床を見つめた。お父様は私にどうしろと言うのだろう。父の考えなど、想像したところで分かるはずもない。今は頭が真っ白で何も考えられない。
「白紙になった理由は北の守護長に直接聞けばよろしくてよ。もうすぐ陛下をお連れして、ここへ来ると思うから。」
「お……王様とご一緒にですか?」
「そのように聞いているけど、遅いわね。」
シャルロットはティアの方を見てニコッと微笑む。ティアには本心からの笑顔に見えた。
「でも、いざ、夜の大事なお役目を果たそうとすると……。だめなのよ。どうしてもあの人の事が浮かんできてしまって……拒んでしまうの。陛下はお優しい方だから私を許してくださるのだけど、その度に気持ちを切り替えられない自分が嫌になって。お世継ぎを生せなければ王妃で居る意味がないのだし。不謹慎だけど、いっそのこと側室制度があれば良かったのにと本気で思ったわ。」
ティアは話し終えた様子のシャルロットに問いかけた。
「ご苦労とご心労は胸に響きました。お辛い思いを抱えてこの国へ参られたのですね。お察しいたします。ですが、今のお話と今回の話がどう繋がるのですか?」
「二・三日前かしら。陛下が悩んでいた私に、そんなに辛いのならスフランに帰ればよいと仰って下さって。そんな時、丁度あなたの話が舞い込んだのよ。」
「そのようなこと、簡単に出来ることではないと愚考いたしますが。」
「それがね。詳しいことは分からないのだけど、陛下と北の守護長が裏で手を回して下さって。実現出来るようなのよ!それにあなたは一介の魔法使いでいるより地位も上がるわ。だって王妃の椅子に座るのよ。婚約白紙の汚名返上にもなるのだし、一石二鳥どころか三鳥くらいではなくて?」
「いえ……。私のような者がシャルロット様の代わりになどなれません。婚約が白紙になるというのも今知ったくらいなのですから。」
ティアは下を向き、わなわなと床を見つめた。お父様は私にどうしろと言うのだろう。父の考えなど、想像したところで分かるはずもない。今は頭が真っ白で何も考えられない。
「白紙になった理由は北の守護長に直接聞けばよろしくてよ。もうすぐ陛下をお連れして、ここへ来ると思うから。」
「お……王様とご一緒にですか?」
「そのように聞いているけど、遅いわね。」