魔法使い、拾います!
「あの……王様……。」
「ピアで良い。ここでくらい自分に戻りたい。俺を王である事から解放してくれ。」
「あ……はい。では、ピア様。」
「なんだ?」
甘い顔立ちに笑顔が加わると、破壊力が半端ない。気品や威厳も兼ね備えている上に、この若き王は美貌まで持っている。なんと羨ましい。
「私はシャルロット様に代わり、王妃になるのですか?」
「ティアが俺を受け入れてくれれば嬉しいのだが……。ジョナから聞いたが、婚約者に裏切られたそうではないか?傷付いた者同士、分かり合えるとは思わないか?」
「裏切られた……?私がヴァルにですか?」
ティアは勢いよく立ち上がり、ジョナに詰め寄った。だから婚約を白紙にしたと言うのだろうか。ヴァルに裏切られたと言うが、ティアには全く身に覚えがない。
「それが婚約を白紙にする理由なのですか?ヴァルが何かしたのですか?お父様、答えて下さい。」
「ヴァルの所持品の中から、昔私が捨てさせたはずの物を見つけたのだ。あれほどきつく言い置いたのに、奴は私とお前を長い間裏切っていたのだよ。」
「何を見つけたと言うの?ヴァルが裏切るなんて信じられません。私に一言もなく、勝手に婚約を白紙にするなんて!」
「お前は知らなくていい。口に出すのもはばかられるのだ。とにかく!あんな裏切り者とお前を結婚させるわけにはいかん。ヴァルを私の後継者には出来ん。」
取り付く島もないジョナの態度に、ティアは口をパクパクさせた。ヴァルの裏切りだなんて、寝耳に水である。
「ピア様は人格者であり寛大な御心の持ち主だ。お前と真に向き合えるなら王妃に望むと仰って下さった。しかしシャルロット様の秘め事を耳にした以上、お前に拒否権などないがな。」
「待ってよ、お父様。さっきのシャルロット様の話と言い、今の話と言い、頭がパンクしそうなの。ヴァルに会って話がしたいわ。ヴァルに会わせて。」
ティアはジョナに縋り懇願した。
「ピアで良い。ここでくらい自分に戻りたい。俺を王である事から解放してくれ。」
「あ……はい。では、ピア様。」
「なんだ?」
甘い顔立ちに笑顔が加わると、破壊力が半端ない。気品や威厳も兼ね備えている上に、この若き王は美貌まで持っている。なんと羨ましい。
「私はシャルロット様に代わり、王妃になるのですか?」
「ティアが俺を受け入れてくれれば嬉しいのだが……。ジョナから聞いたが、婚約者に裏切られたそうではないか?傷付いた者同士、分かり合えるとは思わないか?」
「裏切られた……?私がヴァルにですか?」
ティアは勢いよく立ち上がり、ジョナに詰め寄った。だから婚約を白紙にしたと言うのだろうか。ヴァルに裏切られたと言うが、ティアには全く身に覚えがない。
「それが婚約を白紙にする理由なのですか?ヴァルが何かしたのですか?お父様、答えて下さい。」
「ヴァルの所持品の中から、昔私が捨てさせたはずの物を見つけたのだ。あれほどきつく言い置いたのに、奴は私とお前を長い間裏切っていたのだよ。」
「何を見つけたと言うの?ヴァルが裏切るなんて信じられません。私に一言もなく、勝手に婚約を白紙にするなんて!」
「お前は知らなくていい。口に出すのもはばかられるのだ。とにかく!あんな裏切り者とお前を結婚させるわけにはいかん。ヴァルを私の後継者には出来ん。」
取り付く島もないジョナの態度に、ティアは口をパクパクさせた。ヴァルの裏切りだなんて、寝耳に水である。
「ピア様は人格者であり寛大な御心の持ち主だ。お前と真に向き合えるなら王妃に望むと仰って下さった。しかしシャルロット様の秘め事を耳にした以上、お前に拒否権などないがな。」
「待ってよ、お父様。さっきのシャルロット様の話と言い、今の話と言い、頭がパンクしそうなの。ヴァルに会って話がしたいわ。ヴァルに会わせて。」
ティアはジョナに縋り懇願した。