魔法使い、拾います!
泣き崩れそうなほど不安な顔をしているティアを見て、当事者であるピアは心を痛めた。急にこんな話を聞かされては無理もない。
「ティア。婚約までした者の裏切りに会うのは辛いことだ。王は常に孤独ゆえ気持ちは分かる。だから、打算なく本当に愛し合える人と一生を共に過ごしたい。自分の妃くらい自分で選ぶ自由があってもいいだろう?俺の側に来ることを考えてはくれないか。それに王妃に想い人がいることは極秘だからな。そう易々と他の奴には言えぬのだ。」
王にそんなことを言われては、断れるはずがない。しかし、ピアは付け加えた。
「強制ではないから安心しろ。ひとまず俺が矢面に立つ。ティアを側室という曖昧な立場にするから、その間に考えてくれればいい。王妃になるのが嫌なら、側室は王室典範違反だと新たな王妃を娶る。王妃になってくれるなら、寵愛しているという事でそのまま新王妃に昇格させる。これでどうだ?」
「それではピア様が一方的な悪者になってしまうではありませんか!それにヴァルが私を裏切ったというのが信じられません。先ずはヴァルに会わせてください。」
会いたいというティアに、ジョナが間髪入れずに答えた。
「ヴァルとはしばらく会えん。見つけたものを回収したいのだが、ヴァルが素直に渡してくれるとは思えないのでな。だから奴には一旦城から居なくなってもらう必要がある。よって会えん。」
「何を見つけたって言うのよ?ヴァルは何を持っていたの?」
ジョナのマントを掴み揺さぶってみたが、もう語ることはないとばかりにティアはその手を払い除けられた。そして一瞬の隙をついて杖を奪われ、魔法で足枷を付けられた。
「勝手にここから出られては困るからな。しばらくここで我慢していなさい。」
あれよあれよという間に事が進み、ティアは何もすることが出来なかった。父は水面下で全てを計画し、王や王妃の心理をついて巧みに動かした。そこまでしなければならない何があったのか。ヴァルの何を見つけたのだろう。
「ティア。婚約までした者の裏切りに会うのは辛いことだ。王は常に孤独ゆえ気持ちは分かる。だから、打算なく本当に愛し合える人と一生を共に過ごしたい。自分の妃くらい自分で選ぶ自由があってもいいだろう?俺の側に来ることを考えてはくれないか。それに王妃に想い人がいることは極秘だからな。そう易々と他の奴には言えぬのだ。」
王にそんなことを言われては、断れるはずがない。しかし、ピアは付け加えた。
「強制ではないから安心しろ。ひとまず俺が矢面に立つ。ティアを側室という曖昧な立場にするから、その間に考えてくれればいい。王妃になるのが嫌なら、側室は王室典範違反だと新たな王妃を娶る。王妃になってくれるなら、寵愛しているという事でそのまま新王妃に昇格させる。これでどうだ?」
「それではピア様が一方的な悪者になってしまうではありませんか!それにヴァルが私を裏切ったというのが信じられません。先ずはヴァルに会わせてください。」
会いたいというティアに、ジョナが間髪入れずに答えた。
「ヴァルとはしばらく会えん。見つけたものを回収したいのだが、ヴァルが素直に渡してくれるとは思えないのでな。だから奴には一旦城から居なくなってもらう必要がある。よって会えん。」
「何を見つけたって言うのよ?ヴァルは何を持っていたの?」
ジョナのマントを掴み揺さぶってみたが、もう語ることはないとばかりにティアはその手を払い除けられた。そして一瞬の隙をついて杖を奪われ、魔法で足枷を付けられた。
「勝手にここから出られては困るからな。しばらくここで我慢していなさい。」
あれよあれよという間に事が進み、ティアは何もすることが出来なかった。父は水面下で全てを計画し、王や王妃の心理をついて巧みに動かした。そこまでしなければならない何があったのか。ヴァルの何を見つけたのだろう。