魔法使い、拾います!
リュイはティアと並んでソファーに腰掛けていた。
ティアとヴァルの事ばかり考えていたリュイは、ふと、自分に起こった事を振り返ってみた。ここに移動してくる前の出来事を。
そう、グレンが追いかけてきて結婚を申し込まれた、あの事だ。あまりの急展開に忘れていたが、思えば自分たちはこの二人と似た境遇ではないだろうか。一緒に暮らしては居ないが、物心ついた時からグレンやララとは常に一緒だったのだ。
グレンの事は本当のお兄さんのように思っていて、自分にしてみたらそういう感情の好きである。
しかし、グレンの方は違っていた。愛しているという感情であるようなのだ。今日の今日まで気づかなかった。だから鈍感と言われてしまうのだろうか。グレンに言われるまで、自分の恋心にも気づかなかったのだから。
ぼーっと、床の一点を見つめながら幼い頃に思いを馳せていると、ティアに肩をちょんちょんと突かれた。
「リュイさん、ねぇ、リュイさんってば。二人は何を話しているのかしらね?いくら何でも遅くない?ちょっとだけ隣の部屋を覗いてみようかしら。」
「えー?いけませんよ。待ちましょうよ。」
「でも私、待つことに飽きてしまったわ。早くヴァルと話をしたいの。」
「早まらないで下さいね…。王様が素敵な方だというのは分かりましたけど、ティアさんはヴァルを選んで下さいよ。」
「ふふふ……。あなたも素敵な人だと分かって安心したわ。最後に眠り姫と会えて良かった。」
「眠り姫?」
とても意味深な発言を残してティアはソファーから立ち上がる。そして躊躇うことなく隣の部屋へと続く扉に手をかけた。
ティアとヴァルの事ばかり考えていたリュイは、ふと、自分に起こった事を振り返ってみた。ここに移動してくる前の出来事を。
そう、グレンが追いかけてきて結婚を申し込まれた、あの事だ。あまりの急展開に忘れていたが、思えば自分たちはこの二人と似た境遇ではないだろうか。一緒に暮らしては居ないが、物心ついた時からグレンやララとは常に一緒だったのだ。
グレンの事は本当のお兄さんのように思っていて、自分にしてみたらそういう感情の好きである。
しかし、グレンの方は違っていた。愛しているという感情であるようなのだ。今日の今日まで気づかなかった。だから鈍感と言われてしまうのだろうか。グレンに言われるまで、自分の恋心にも気づかなかったのだから。
ぼーっと、床の一点を見つめながら幼い頃に思いを馳せていると、ティアに肩をちょんちょんと突かれた。
「リュイさん、ねぇ、リュイさんってば。二人は何を話しているのかしらね?いくら何でも遅くない?ちょっとだけ隣の部屋を覗いてみようかしら。」
「えー?いけませんよ。待ちましょうよ。」
「でも私、待つことに飽きてしまったわ。早くヴァルと話をしたいの。」
「早まらないで下さいね…。王様が素敵な方だというのは分かりましたけど、ティアさんはヴァルを選んで下さいよ。」
「ふふふ……。あなたも素敵な人だと分かって安心したわ。最後に眠り姫と会えて良かった。」
「眠り姫?」
とても意味深な発言を残してティアはソファーから立ち上がる。そして躊躇うことなく隣の部屋へと続く扉に手をかけた。