魔法使い、拾います!
「どこへ行っていたヴァル。今まで何をしていたのだ?」
冷気と怒気をまとっているのがひしひしと伝わってくる。ジョナは厳しい人ではあるが、こんなに怖い表情は見たことがなくヴァルは青ざめた。
そして恐怖から、うっかり手に握っていたペンダントを落としてしまった。首にかけておけば良かったと後悔しても後の祭りである。
「ん?これはなんだ。こんな物をどこで手に入れてきた?」
「これは……。」
「まぁいい。捨てておけ。」
ジョナは後ろに控えていた付き人に、拾ったペンダントを投げた。
「あっ、それはあの子とお揃いの……。」
「あの子?女か?大事な修行を抜け出して、女に現を抜かしていたのか?」
「いえ、違い……。」
「この愚か者めが!!!」
いつもの説教なら淡々とした威圧口調のジョナなのだが、こんな風に恫喝されるのは初めてだ。表情といい言動といい、ヴァルが知るいつものジョナではない。
「お前は自分の立場を分かっていないようだな。この際だからはっきりと伝えておこう。いいか、お前は私の友人から託された大事な息子である。と、同時に私にとっても息子であるのだ。故にお前は私の跡取りということになる。私はそのつもりでお前を育ててきた。もう少し先の話にしようかと思っていたが、ここへきて他の女に興味を持たれては適わんからな。早々にティアと婚約してもらうぞ。」
「婚約?ティアと?」
「そうだ。名実ともにお前は私の本当の息子となり、跡取りとなるのだ。その事、努々忘れぬよう。ティアには私から言っておく。分かったな、今後一切ティア以外の女を想うなど言語道断!今日の事は不問にしてやるから、修行に励め。」
「………。」
「どうしたヴァル、分かったのか?」
「……はい。分かりました。申し訳ありませんでした。」
冷気と怒気をまとっているのがひしひしと伝わってくる。ジョナは厳しい人ではあるが、こんなに怖い表情は見たことがなくヴァルは青ざめた。
そして恐怖から、うっかり手に握っていたペンダントを落としてしまった。首にかけておけば良かったと後悔しても後の祭りである。
「ん?これはなんだ。こんな物をどこで手に入れてきた?」
「これは……。」
「まぁいい。捨てておけ。」
ジョナは後ろに控えていた付き人に、拾ったペンダントを投げた。
「あっ、それはあの子とお揃いの……。」
「あの子?女か?大事な修行を抜け出して、女に現を抜かしていたのか?」
「いえ、違い……。」
「この愚か者めが!!!」
いつもの説教なら淡々とした威圧口調のジョナなのだが、こんな風に恫喝されるのは初めてだ。表情といい言動といい、ヴァルが知るいつものジョナではない。
「お前は自分の立場を分かっていないようだな。この際だからはっきりと伝えておこう。いいか、お前は私の友人から託された大事な息子である。と、同時に私にとっても息子であるのだ。故にお前は私の跡取りということになる。私はそのつもりでお前を育ててきた。もう少し先の話にしようかと思っていたが、ここへきて他の女に興味を持たれては適わんからな。早々にティアと婚約してもらうぞ。」
「婚約?ティアと?」
「そうだ。名実ともにお前は私の本当の息子となり、跡取りとなるのだ。その事、努々忘れぬよう。ティアには私から言っておく。分かったな、今後一切ティア以外の女を想うなど言語道断!今日の事は不問にしてやるから、修行に励め。」
「………。」
「どうしたヴァル、分かったのか?」
「……はい。分かりました。申し訳ありませんでした。」