魔法使い、拾います!
第六話 実らないのが初恋
ジョナは不機嫌な表情を崩すことなくヴァルを見つめた。はぁ、と、わざとらしく息を吐きだし、ヴァルの胸元をぐいっと掴む。
「……。お前には失望したよ。洞窟を出る前に労いの言葉の一つでもかけようかと部屋の前まで行けば、あろうことか、あの時のペンダントにキスをしていたのだからな。さすがの私も猛烈に腹が立ったよ。」
言い終えるとジョナは乱暴に魔法でヴァルを突き飛ばした。
反動で一歩二歩とヴァルは後ろへよろめいたが、背にしていた扉がそれ以上の後退を止めてくれた。
「それは!これからティアと歩んで行くための、僕なりのけじめをつけただけで!」
ヴァルは言い訳がましいセリフを口にしてしまう。
「けじめ?忘れろと言った女へのけじめか。それこそ未練があったという動かぬ証拠ではないか。お前は私の信頼と期待を裏切ったのだ。そんな奴にティアはやれん。可愛さ余って憎さ百倍とは、よく言ったものだな。この裏切りを償え!」
ジョナは言うが早いか杖をヴァルに向けた。
「破壊!」
咄嗟に身をかがめるヴァル。
次の瞬間、ドン!という音と共にドアが砕け、勢いよく吹き飛んだ。
「きゃあ!!」
タイミング悪く隣室の方からドアに手をかけていたティアが、風圧で床に叩きつけられた。その声に驚いたヴァルが振り返る。
「……ティア!?ティア大丈夫ですか!!」
「……。お前には失望したよ。洞窟を出る前に労いの言葉の一つでもかけようかと部屋の前まで行けば、あろうことか、あの時のペンダントにキスをしていたのだからな。さすがの私も猛烈に腹が立ったよ。」
言い終えるとジョナは乱暴に魔法でヴァルを突き飛ばした。
反動で一歩二歩とヴァルは後ろへよろめいたが、背にしていた扉がそれ以上の後退を止めてくれた。
「それは!これからティアと歩んで行くための、僕なりのけじめをつけただけで!」
ヴァルは言い訳がましいセリフを口にしてしまう。
「けじめ?忘れろと言った女へのけじめか。それこそ未練があったという動かぬ証拠ではないか。お前は私の信頼と期待を裏切ったのだ。そんな奴にティアはやれん。可愛さ余って憎さ百倍とは、よく言ったものだな。この裏切りを償え!」
ジョナは言うが早いか杖をヴァルに向けた。
「破壊!」
咄嗟に身をかがめるヴァル。
次の瞬間、ドン!という音と共にドアが砕け、勢いよく吹き飛んだ。
「きゃあ!!」
タイミング悪く隣室の方からドアに手をかけていたティアが、風圧で床に叩きつけられた。その声に驚いたヴァルが振り返る。
「……ティア!?ティア大丈夫ですか!!」