魔法使い、拾います!
しばらくして落ち着きを取り戻したリュイに、グレンは紅茶を入れていた。ミルクを入れたアッサムティーの芳醇な香りが漂ってくる。
ダイニングテーブルに向かい合わせに座った二人は、無言で紅茶を口に運んだ。
「グレンありがとう。忙しいだろうに、私の帰りを待っていてくれたんだね。」
「心配で仕事なんか手につかないよ。てか、今日は大した予定は入ってないから安心しろ。まぁ、さすがにララは戻ったけどな。」
こんな時はグレンの存在が如何に大きいかを実感してしまう。やはり頼れるお兄さんだ。しかし、グレンにとってリュイのポジションは妹ではないらしい。はっきりとそう宣言されたのだが、リュイは今一つピンと来ない。
「でね……あの……。さっきは突き飛ばして逃げてごめん。」
「あー。あれな。無理にでも捕まえておけば良かったよな。そしたらリュイが拉致されることは無かったのに。」
「ううん、そんなことない。あれは私がいけなかったの。じゃなくて、違うの、グレン。私が言いたいのは……そうじゃなくて。」
「何だよ。」
「うん……ごめん。あのね、グレン。私……あの……ごめんなさい……。」
「ごめん、ごめん、言うなよ。」
「あっ、ごめん。じゃなくて、えーと、あの……。」
「続きは聞かない。ノーは無い。」
いやいや、そんな自分勝手な話ってあるだろうか。確かに昔から強引な方ではあったが、人の気持ちを無視するようなグレンではない。
「リュイは俺の所に嫁に来い。俺の隣に居ればいい。魔法使いの事なんて忘れろよ。お前を泣かすような奴の所へなんか行かせない。もう、ごめんは聞かない。」
「グレン!ちょっと待ってよ、私!」
「何を待つんだ?俺のこと嫌いか?」
「嫌いな訳ないでしょう!」
「だったら!」
ガタンと椅子から立ち上がったグレンを、リュイは少し怯えた表情で見つめた。
「さっさと俺の妻になれ!」
「ちょっ……ちょっと待ってよ。グレンのことは大好きだし、気持ちは嬉しいけど、ずっと……お兄ちゃんみたいに思っていたから。急に妻って言われても、そんな直ぐには切り替えられないよ。」
リュイの言葉を聞いて、グレンはゆっくりと椅子に座り直した。
ダイニングテーブルに向かい合わせに座った二人は、無言で紅茶を口に運んだ。
「グレンありがとう。忙しいだろうに、私の帰りを待っていてくれたんだね。」
「心配で仕事なんか手につかないよ。てか、今日は大した予定は入ってないから安心しろ。まぁ、さすがにララは戻ったけどな。」
こんな時はグレンの存在が如何に大きいかを実感してしまう。やはり頼れるお兄さんだ。しかし、グレンにとってリュイのポジションは妹ではないらしい。はっきりとそう宣言されたのだが、リュイは今一つピンと来ない。
「でね……あの……。さっきは突き飛ばして逃げてごめん。」
「あー。あれな。無理にでも捕まえておけば良かったよな。そしたらリュイが拉致されることは無かったのに。」
「ううん、そんなことない。あれは私がいけなかったの。じゃなくて、違うの、グレン。私が言いたいのは……そうじゃなくて。」
「何だよ。」
「うん……ごめん。あのね、グレン。私……あの……ごめんなさい……。」
「ごめん、ごめん、言うなよ。」
「あっ、ごめん。じゃなくて、えーと、あの……。」
「続きは聞かない。ノーは無い。」
いやいや、そんな自分勝手な話ってあるだろうか。確かに昔から強引な方ではあったが、人の気持ちを無視するようなグレンではない。
「リュイは俺の所に嫁に来い。俺の隣に居ればいい。魔法使いの事なんて忘れろよ。お前を泣かすような奴の所へなんか行かせない。もう、ごめんは聞かない。」
「グレン!ちょっと待ってよ、私!」
「何を待つんだ?俺のこと嫌いか?」
「嫌いな訳ないでしょう!」
「だったら!」
ガタンと椅子から立ち上がったグレンを、リュイは少し怯えた表情で見つめた。
「さっさと俺の妻になれ!」
「ちょっ……ちょっと待ってよ。グレンのことは大好きだし、気持ちは嬉しいけど、ずっと……お兄ちゃんみたいに思っていたから。急に妻って言われても、そんな直ぐには切り替えられないよ。」
リュイの言葉を聞いて、グレンはゆっくりと椅子に座り直した。