魔法使い、拾います!
「ティア、それよりも側室ってなんですか?僕は今、とても混乱しています。このペンダントが原因で師匠が僕に失望したのは分かりました。でも、側室って……。単に僕との婚約破棄ではだめだったのですか?」
「そうよね。ごめんなさい。急展開過ぎて理解できないわよね。お父様とピア様のタイミングが丁度合っちゃったの。婚約を白紙にしたいお父様と新しい王妃が欲しいピア様が手を取り合ったというのが正解かしら。」
「手を組んだ?王がティアを側室にすることが、ですか?こんな国を左右する一大事なのに?僕にはよく分かりません。」
「勘違いしないでね。ピア様は何も悪くないの。」
「王を庇うんですか?元はと言えば僕が原因らしいので何も言えませんが、師匠が全てを計画されたということですか?」
ティアは複雑な表情を見せて、ヴァルに笑いかけた。
「計画というか……お父様がお怒りになって、この結婚話を破談にしたことは事実よ。でも、それだと私に傷が付く。それに本当は側室ではなくて、私は王妃になるのよ。だから今よりも上の立場である王妃に、『望まれた』という形を取ることで、私を守りたかったみたい。詳しくは言えないのだけど、シャルロット様が王妃を退いて祖国に帰られるのよ。だから側室と言うのは名ばかりで、事実上私はピア様の王妃になるの。」
「……は?」
「まぁ、ヴァルには色々迷惑かけたけど。要するに、丸く納まったって話よ。私ピア様なら愛せるわ。勿論ヴァルのことは大好きよ、私の大事な家族だもの。だからきっと結婚しても、弟以上には思えない気がするの。ヴァルもそうでしょう?」
「それは……。いえ……僕はティアを愛せます!」
「待って、聞いて。……私、知っているのよ。」
「……?何を?」
困惑した面持ちでヴァルはティアを覗き込む。そのティアの表情は今まで見たことのない儚げなものであった。
「そうよね。ごめんなさい。急展開過ぎて理解できないわよね。お父様とピア様のタイミングが丁度合っちゃったの。婚約を白紙にしたいお父様と新しい王妃が欲しいピア様が手を取り合ったというのが正解かしら。」
「手を組んだ?王がティアを側室にすることが、ですか?こんな国を左右する一大事なのに?僕にはよく分かりません。」
「勘違いしないでね。ピア様は何も悪くないの。」
「王を庇うんですか?元はと言えば僕が原因らしいので何も言えませんが、師匠が全てを計画されたということですか?」
ティアは複雑な表情を見せて、ヴァルに笑いかけた。
「計画というか……お父様がお怒りになって、この結婚話を破談にしたことは事実よ。でも、それだと私に傷が付く。それに本当は側室ではなくて、私は王妃になるのよ。だから今よりも上の立場である王妃に、『望まれた』という形を取ることで、私を守りたかったみたい。詳しくは言えないのだけど、シャルロット様が王妃を退いて祖国に帰られるのよ。だから側室と言うのは名ばかりで、事実上私はピア様の王妃になるの。」
「……は?」
「まぁ、ヴァルには色々迷惑かけたけど。要するに、丸く納まったって話よ。私ピア様なら愛せるわ。勿論ヴァルのことは大好きよ、私の大事な家族だもの。だからきっと結婚しても、弟以上には思えない気がするの。ヴァルもそうでしょう?」
「それは……。いえ……僕はティアを愛せます!」
「待って、聞いて。……私、知っているのよ。」
「……?何を?」
困惑した面持ちでヴァルはティアを覗き込む。そのティアの表情は今まで見たことのない儚げなものであった。