魔法使い、拾います!
最終話 ペンダントの約束
リュイは自室のベッドの中で寝がえりをうった。ぼんやりとした視界と思考力に欠けた感じが寝不足であることを教えてくれる。ぐっすりと眠れなかったなんて初めてだ。気怠さが残る体でリュイは手足を伸ばした。
「朝……だよね……。」
半開きのまぶたを擦って、ゆっくりとベッドから足を下ろす。窓の戸板を開けると明るい日差しが差し込んできた。太陽の位置からすると、夜明けからは随分と経っているようだ。
お日様の光を浴びてシャンとしたリュイは、手早く身支度を整えた。いつも通りテントウムシのペンダントを首にかけ、コップに一杯目覚めの水を飲む。一晩考えても同じ答えにしか辿り着かなったリュイは、意を決して足早に家を出た。雑貨屋の看板はcloseのままで。
リュイが向かったのはグレンの住まいである町長の屋敷だ。緩やかな丘を登り目的のお屋敷まで来ると、タイミング良くグレンが玄関のドアを開けた。リビングの窓からリュイの姿を見つけた彼は、先回りして出迎えをしてくれたのだ。
「リュイ、気分はどうだ?良く眠れたか?」
グレンに促され、二人は屋敷の広い庭にあるベンチに並んで腰を下ろした。
「うん、まぁまぁかな。色々と心配してくれてありがとう、グレン。」
まぁまぁと言うだけあって、歯切れの悪い言葉使いと暗い笑顔である。ずっとリュイを見てきたグレンには、眠れなかったであろうことは直ぐに分かった。そして皮肉にも、リュイが何故屋敷にやって来たのか、この後自分が何を言われるのかまで分かってしまう。
だから敢えて、グレンは自分から切り出した。
「さて、俺はこれから寄り合いに出かけなくちゃいけないんだ。さっさと引導を渡してもらおうか。結婚は出来ないと言いに来たんだろう?」
珍しく真面目な口調で言い放つグレンの顔を、リュイは直視できない。全くもってグレンの言う通りだったからだ。
「朝……だよね……。」
半開きのまぶたを擦って、ゆっくりとベッドから足を下ろす。窓の戸板を開けると明るい日差しが差し込んできた。太陽の位置からすると、夜明けからは随分と経っているようだ。
お日様の光を浴びてシャンとしたリュイは、手早く身支度を整えた。いつも通りテントウムシのペンダントを首にかけ、コップに一杯目覚めの水を飲む。一晩考えても同じ答えにしか辿り着かなったリュイは、意を決して足早に家を出た。雑貨屋の看板はcloseのままで。
リュイが向かったのはグレンの住まいである町長の屋敷だ。緩やかな丘を登り目的のお屋敷まで来ると、タイミング良くグレンが玄関のドアを開けた。リビングの窓からリュイの姿を見つけた彼は、先回りして出迎えをしてくれたのだ。
「リュイ、気分はどうだ?良く眠れたか?」
グレンに促され、二人は屋敷の広い庭にあるベンチに並んで腰を下ろした。
「うん、まぁまぁかな。色々と心配してくれてありがとう、グレン。」
まぁまぁと言うだけあって、歯切れの悪い言葉使いと暗い笑顔である。ずっとリュイを見てきたグレンには、眠れなかったであろうことは直ぐに分かった。そして皮肉にも、リュイが何故屋敷にやって来たのか、この後自分が何を言われるのかまで分かってしまう。
だから敢えて、グレンは自分から切り出した。
「さて、俺はこれから寄り合いに出かけなくちゃいけないんだ。さっさと引導を渡してもらおうか。結婚は出来ないと言いに来たんだろう?」
珍しく真面目な口調で言い放つグレンの顔を、リュイは直視できない。全くもってグレンの言う通りだったからだ。