僕は何度でも、君の名前を呼ぶよ。
俺はむくりと起き上がって、まじまじとそいつを見つめた。
その人(?)は、きれいな緑色の髪をしていた。
ふわふわとした長い髪は、その水たまりの中に浸っているはずなのに、なぜかぬれていなくて。
髪には小さな貝殻や星形の髪飾りが、ライン上にかけられていた。
アイラインは紫で、緋色の瞳によく栄えている。
そしてあろうことか、下半身は魚であった。
つまりこいつは…人魚!?
なんて一人で目の前にいるやつが人魚であると勝手に断定していたら、人魚はそんな俺を見て面白おかしそうにくすりと笑った。
「大丈夫?」
しかしそのかけられた「大丈夫?」という言葉は、俺の後ろ側から聞こえて。
「!?」
全く気配を感じなかったからかなり驚いた俺は、勢いよく振り返る。