僕は何度でも、君の名前を呼ぶよ。
*4*
あの世×この世
名前を呼んだ瞬間、振り返ったフレアは一瞬驚いた顔をしていた。
「和玖、なんであんたこの子の名前知ってるの…?」
大剣をしまったフレアは俺と、俺に背中を向けたままのアイのもとへ近づいてくる。
アイの大鎌は、うっすらと姿を消していった。
ふうとため息をつきながら、俺の後ろ側にいたネリスも近づいてくる。
「フレア、油断しすぎ」
ぴしゃりと厳しい声で注意されたフレアは頭をかくような仕草をする。
「悪い悪い。まさか、後ろから来るとはねえ」
…というか、今の厳しめな声が…アイの声なのか…?
俺の知ってるアイは、もっと子供っぽくて無邪気で、いたずらっ子みたいなアイなのに…。
「ああそうだ、紹介するよ」
フレアは、アイに向かって俺の方を向かせるように手で誘導した。