僕は何度でも、君の名前を呼ぶよ。
「それにしてもびっくりだよ。和玖がIのこと知ってたなんて」
「え…」
今、なんて?
俺は、ネリスの方を見る。
ネリスは、アイをIと呼んだ。
「アイ…って、アルファベットの、I…?」
そう聞くと、ネリスとフレアはくすりと笑った。
そうそう!と言って。
翼を小さくたたみながら、少しさみしげにしている…I。
「私、二人みたいに名前がないもの。だから、アルファベットで最初に浮かんだのがI…それで、この世界ではIと名乗ってるの」
大人びたIの様子に俺はただ、見つめることしかできなかった。
ただ、俺のいた世界のアイと違うのは容姿と名前だけで。
さみしそうな表情だけは、変わってなかったんだ。