僕は何度でも、君の名前を呼ぶよ。
「…じゃあ、さっきの黒い物体は?」
あの、もやがかかったような、よくわからないもの。
ネリスは表情を引き締めて、少し唇をかみながら話し始めた。
「ソレの正体は、私たちでもわからないの。ただ、そいつらのことを『ゼロ』と呼んでいるわ。なんの情報も、ないからって由来でね」
「…ゼロ…」
ネリスは急に明るい表情に変わる。
「でもそういうのは、一番詳しい人に聞くのが一番だよ!」
そう言って俺の前を指さす。
見ると、フレアとIが俺たちの方を向いており、その二人の向こう側には大きな二枚貝があった。
薄いピンク色の二枚貝は、キラキラとしたもので飾られている。
「もしかしてここって…」
フレアはにこりと笑って俺に親指を立ててきた。