僕は何度でも、君の名前を呼ぶよ。
「それで、和玖が元の世界に帰る方法を知りたくて来たんだろう?」
大きな真珠を手で転がしながら面白げに聞いてくるセレン。
「!!」
なんでわかったんだ?
俺はまだ一言も…。
「和玖」
「は、はい」
セレンのあまりの優雅さ、余裕っぷりに思わず敬語になる俺。
「結論からいうと、あんたはまだ死んでない」
その言葉に、少しほっとした俺。
しかしセレンは人差し指の長い爪を、俺の唇にあててきた。
「……『まだ』だ」
「……つまり、俺の体は、危ないってことですか」