僕は何度でも、君の名前を呼ぶよ。
「…どうしてそんな顔してるんだ?和玖」
だって、俺には。
「…『大切な人』なんて、いない…」
二年前の交通事故で、俺はすべての記憶を失っている。
両親のことすら、『大切』と思えない。
むしろ…『他人』だ。
「……フレアとネリスは、神に認められれば天国へ行くと言ったな」
「ああ、言ったよ」
「…認められなかったのが…あの、ゼロ…ってことか」
ご名答☆
セレンは楽しそうに指を鳴らす。
「生の世界で自分の名前を呼んでくれる人がいない…それをあきらめてしまった。戻ることのできる可能性が…『ゼロ』ってわけさ」