僕は何度でも、君の名前を呼ぶよ。
「だから…」
俺は、元いた世界のことを思い出した。
翼こそ見えなかったけれど。
「アイ」と名乗った少女は、嬉しそうに俺の周りをうろうろと飛び回り。
「あたし、幽霊なんだ!あたしのこと見える人に会えたのはじめて‼‼」
楽しそうに、俺の周りをくるくると回っていた。
翼がなかったのは、まだ完全に死んでいたわけではないからで。
でも、アイ…Iの死期は、完全に迫っているんだ…。
最初は鬱陶しくて。
邪魔で。
どっか行けなんて思ってたけど。
ものを触る練習をしたり。
…車にひかれそうになった俺を、助けてくれたり…。
アイとの生活を思い出しているうちに。
「……なんだ…これ……」