僕は何度でも、君の名前を呼ぶよ。


「アイ」と名乗った少女は、嬉しそうに俺の周りをうろうろと飛び回る。

「あたし、幽霊なんだ!あたしのこと見える人に会えたのはじめて‼‼」


ふふふ、と本当に嬉しそうに笑っている。


すれ違う人たちは本当にアイの存在に気付いていないようで。


アイには目もくれずにすれ違っていく。

結局、家に着くまでアイは俺の元から離れることはなくて。

同時に他の人にアイの存在が気づかれることもなかった。



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