僕は何度でも、君の名前を呼ぶよ。


さすがに二ヶ月も昏睡状態だったためか、様々な点滴が腕からつながれている。

母さんが俺のそばにいる間に、父さんがナースコールで看護師を呼んだ。


「風磨さん!!目を覚まされたんですね!!」


看護師もうれしそうにしている。


「今回は、記憶の方はどうですか?」



医師が俺の呼吸音を聞いたり、創部を確認しながら聞いてくる。



「なくすどころか、全部思い出しました」



それを聞いた医師は、ほっとした様子で、俺の両親に笑顔を見せた。



< 61 / 72 >

この作品をシェア

pagetop