ふたりごと
俺が認めた女
(わたしはふわふわしててほろあまいわたがし貴方に誰よりもすかれたくて認められたくてこんなふわふわになったの)
 あいつは透き通ってなにも知らないかもしれない純粋でまっすぐな歌を歌っていた
 俺はあっかんされ思わず息をのんだ
 「えっ?」
 彼女はおれの方を見る
 かなりびっくりしている様子だ
 そりゃそうだ
 だって俺がいるなんて気づいてないし歌を歌っているところなんて人に見られたくねーし普通はな
 「えっ⁉すみません
 こんな音痴を聞いて気分悪くなりますよね
 すみません、本当にすみません」
 「お前すげーな」
 俺は彼女の頭を思わず撫でた
 だってすげーうまかったから
 「えっ!!」
 はっ恥ずかしい
 恥ずかしすぎる
 俺は彼女の肩に腕を通し耳元に顔を近づける
 「どうしたんだその歌?
 聞いたことねーが誰の歌だ?」
 恥ずかしい
 「えっわっわたしが考えました」
 心臓が早い
 それに大きくてうるさい
 この人に聞こえないかな?
 俺は彼女の肩にのせた腕をはなし
 両肩に両手をのせる
 「お前すげーな
 サインほしいくらいだ」
 俺は彼女の肩をおもいっきり揺らす
 「あっありがとうございます」
 うわあわあ
 肩が揺れて話しづらい
 「お前名前何て言うんだ?」
 「桐谷琴音です」
 「俺は黒崎竜太だ
 よろしくな
 俺がおまえの一人目のファンになってやるよ」
 わたしは思わず涙がこぼれた
 ファン!ファンなんて…
 「どうしたんだ」
 竜太君はあわててる
 可愛い
 わたしは思わず泣きながら笑う
 「ごめんなさい竜太君
 わたし嬉しいから」
 「そうか
 明日から昼休みここにきていいか?
 歌を聞かせてくれよ」
 「うん」
 わたしは微笑んだ
 
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