道の果て・・
そのころの私はすべてを
失くしたと思っていた。

仕事をすることでしか
自分が生きているのか
それすらわからなくなっていた。

ひたすら働いたおかげで
私は1年後には小さいながらも
自分の部屋を借りることができた。

もちろん、叔母が保証人に
なってくれたからだが。

自分1人では家すら借りれない
私はまた、自分は子供なのだと
実感した。

17歳になった私は
まだ、夏生のことを諦めきれずに
生きていた。
まだどこかで彼が迎えに来る日を
信じていたのかもしれない。
信じずには生きていけなかった。

夏生はまだ、自分のことを
愛してるものだとそう、思い
込まずには自分の存在価値が
なくなってしまいそうで
恐かったのかもしれない。
< 24 / 92 >

この作品をシェア

pagetop