道の果て・・
池田さんとはその後も何度か
食事に行ったり、休みの日にも
遊びに行くようになった。

そして、何度目かに彼の部屋へと
誘われた。
どうしようか悩んだが、
夏生のことをいい加減忘れるためにも
行くことを決意した。
それは体の関係になることを
意味していることは私にもわかっていた。

彼は私を求めてきた。
キスをして、体を触られて
私は身をゆだねようと思っていた。
なのに、心はそれを許しては
くれなかった。

夏生の顔が何度も何度も浮かんできて
とうとう、私は泣いてしまった。

池田さんはとてもいい人で
無理やりにはしなかった。

そして謝罪して私は帰った。

走って、駅まで来ていた。
私は悲しかった。
まだ、夏生は私を縛り付けてる
そう思うと辛かった。

『早く迎えにきて』
心の中で叫んでいた。


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