道の果て・・
叔母の気持ちがうれしかったので
私はあの土地へと帰ることになった。

もぅ戻る事はないと思っていた
夏生との思い出の詰まったあの町へ。

成人式は公民館で行われた。
久々に会う中学時代の友達に
私は懐かしくて泣いた。
みんな、私のことを心配して
くれていたことを知って
うれしい気持ちになった。

そして、私は探してしまう。
夏生の姿を。
彼はどこにいるのだろう?
意識しなくとも彼のことを
探していた。

今さら会ってなにを話すことが
あるのか。
そんなことはわかっていた。
でも、成長した彼を見たいという
気持ちで探していた。
彼は式には来ていなかった。
やはり会えない運命なのだと
私は諦めていた。

成人式は終わり、みんなで
飲みに行くことになった。

久々の友達とは話は途切れることなく
楽しい時間を過ごしていた。

そこに、私が待ちわびていた彼が
やってきた。

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