道の果て・・

最後の夜

私は彼には彼の両親が
私達を訪ねてきたことは
言わなかった。

自分が消えた後、夏生が
自分の両親を責めるようなことには
なって欲しくなかった。

その夜も、彼は私と奈津に
会いに来た。

いつもどおりに、ご飯を3人で
食べて、テレビを見て
奈津をお風呂に入れて、
夏生は奈津の父親として
過ごしてくれた。

彼にとっては、いつもの日常だった。
でも、私と奈津にとっては
それは最後の父親との夜だった。

彼はいつものように、
今週末にも両親の説得に行こうと
言ってくれた。
まだ、諦めていない彼に
心は揺らいだ。

でも、もぅ私は決めてしまっていた。
今日を最後に夏生には会わないと。

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