道の果て・・
私は彼との思い出と奈津という
存在だけでこれからの人生を
生きていこうと決めた。

彼は次の日に笑顔で帰って行った。

もぅ2度と見ることのない夏生の
笑顔に手をふりながら
私は静かに泣いた。
彼には気付かれないように
そっと声を殺して泣いた。

そして、もぅこれからは
泣かないと心に誓った。
これ以上の別れはこの先には
もぅないだろうと感じていた。

私達の道はまたも離れてしまった。

もぅ本当に重なることのない
道を進むことになったのだ。
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