道の果て・・
2年生になってクラスは
別々になってしまった。

それからは学校に行くのが
めんどくさくなった。
たまに彼の姿を廊下や校庭で
見かけることはあっても
話をすることは、できなくなった。

ある日、学校の始業時間は
とっくに過ぎていたが
私はめんどくさくて、急ぐこともせず
のんびりと学校への道を
歩いていた。

すると、後ろから
「さぼりか?」
と声がした。
それは彼の声だった。

私は振り返って
「渡辺くんもさぼり?」
挨拶以外で始めてまともに
会話をした。
それだけで私はうれしくて
幸せだった。
2人で笑い合った。
それはいつか夢みていた光景だった。

2人でゆっくりと学校までの
道を歩いていた。

「クラス楽しい?」
とか他愛もないことを私は
必死で話かけていた。
沈黙になるのが恐かった。
ただそれだけで、いつもの倍ぐらい
必死で話した。
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