俺様教師に恋なんか
「なんでですか?」
「へ?」
「なんでもう気にしなくていいんですか?」
「...へ??」
振り返ると頭にハテナマークをたくさん浮かべる先生。
ど...どうしよう。言ってしまった。
けど会話を盗み聞きしてましたなんて...言えないし。
「...っなんでもないです!さよなら!」
「あ、おい...!」
塾を出て思い切り走った。
地面には散った桜の花びらがたくさん落ちている。
それを踏む度に涙が零れそうになった。
なんで...
なんで私、こんなに悲しいの?
もう分かんないよ。
先生の考えてることも......自分の気持ちも......なにもかも分かんない。
「はあっ、はあ...!げほっ...」
夢中で走ると家の前まで来ていた。
玄関にも桜の花びらがたくさん落ちていて、またヒラリと1枚目の前で落ちた。
春はもう終わりを告げていた。
そして私の気持ちも......