俺様教師に恋なんか




テストはなんとか無事に終わった。



・・・・・・というか、前の晩から徹夜して必死にやったんだけど。


和泉先生にはきちんと睡眠とれって言われたけど、そんな余裕はなかった。




・・・・・・うう、眠い・・・・・・。



「晴〜?めっちゃ顔色悪いけど大丈夫??」


翠が心配してくれている。


「だい・・・・・・じょぶ。帰ったらすぐ寝る。今日は塾もないし」


今は昼休み。


机の上にはお弁当があるけど、とても食べる気になれない。



「ほんとに大丈夫??なんか珍しいね!晴がこんなに死んでるのって!」


死んではない。



「ねー、元気だしてよ!ほら、タコさんウインナーあげる!!」


可愛いフォークに刺さったタコさんウインナーが目の前にずいっと突き出され、タコさんと目が合った。


ちなみに翠は料理が得意で、お弁当も毎日自分で作っているらしい。


「・・・ありがとう」


パク、と食べた。


「おいしい」


「ほんと!?ありがと〜!!」


ニコニコ笑う翠に癒され、自然と私も笑顔になる。



・・・・・・なんか、ほんとに元気出てきた気がする。




「テストも終わったし、今日これからどっか遊びに行く?」


「え!?でも晴、具合悪いんでしょ?」


「大丈夫、大丈夫。久々に翠と遊びたいし」


「え〜??でも・・・」





その時、




ガラッ




と教室の扉が開いた。




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