俺様教師に恋なんか




そして放課後。


「じゃあ遊びに行こっか。翠」


「え!?あの人との約束はいいの!?」


「...やっぱり待ってなきゃだめかな」



うぅ...。

流れで帰ろうと思ったのに。



「うーん...まあ、一応?一方的に約束されちゃったわけだけど......」


「ほんとごめんね。翠」


「ううん!ぜんぜん!!それに晴は今日調子良くないみたいだし、また今度遊ぼ?」


「ありがと〜!」


優しすぎる!女神かこの子は!!


「用事終わるまで玄関で待ってようか?」


「あー...それは悪いからいいよ。大丈夫!」


「そかそか。じゃあ気をつけて帰ってね!」


最後に翠にギュッと強めのハグをされ、バイバイと手を振った。



はああ...なんか憂鬱。


私、一体何を言われるんだろう。





教室の自分の席で座って待っていると、彼がやってきた。



「待っていてくれてありがとう」


「へ?あ、いえ...こちらこそ?」



律義にお礼を言われるとは...。



「...話があるのだが、場所を変えてもいいだろうか?」



周りは放課後残っておしゃべりをしている女子や、遊んでいる男子が何人かいた。



みんなチラチラとこちらを気にしているのも分かる。



「そうだね。変えよっか」



< 68 / 202 >

この作品をシェア

pagetop