謎は流しておしまい~迷探偵とやめたい助手~(仮)
『お邪魔します』の一言もなく
いっきなり扉が開き
そこから現れたのは喪服の女。
真っ黒いワンピースを着て
首にはパールのネックレス
これまた黒いフォーマルバッグを持ち
ツカツカとソファに座る畑山さんの元へ一直線。
小柄だけどスタイルいいのは喪服越しでもわかる。
胸は大きく
ウエスト細く
お尻のラインも素敵
黒の7センチヒールが似合ってる。
艶のある髪を綺麗にまとめ
小さな顔で色白で
切れ長の目を持つ
どっかのミスコンに出てもいいくらいの美形さんだけど
今
その顔は鬼の形相。
彼女は角が丈夫そうな自分のフォーマルバッグで、畑山さんの顔を素早くヒットさせた。
「ぐへっ!」
イケメンの口から
ケンシロウに倒されたザコキャラのような声が出る。
喪服の女はマグカップを壁に叩きつけ
ローテーブルに片足を上げ
キッと畑山さんをにらみつけ
「やっと見つけた。私の上客奪いやがって、どういうつもり?」
舞台女優さんのような声が事務所に響き
その場に嵐が吹き荒れる。