謎は流しておしまい~迷探偵とやめたい助手~(仮)

テーブルにのせた足が綺麗だなぁ。
タイトなワンピースの裾がギュギュっと上がり、エロっぽい太ももについ見惚れてしまったけど、そんな場合じゃないんだよ。

一応
私は畑山さんのボディガードも兼ねている。
だから守らなきゃ!

女は再度バッグを持つ手を高く上げ
二発目を畑山さんにくらわそうとしていたので、私は慌てて走り込み、女を後ろから羽交い絞め。

「離しなさいよ」
赤い唇が低い声で私に命令するけれど

「暴力反対」
私は彼女の耳元でそう言って
強い力で身体を押さえつける。

喪服の女はしばらく身体に力を入れて畑山さんをにらんでいたけど、急に力を抜いて「アホくさっ」って呟いて、私から逃れソファに身体を沈めた。

まとめた髪がほつれて色っぽい
でも
どこかで見た気がするんだけど……どこだっけ。

「お姉さん、コーヒーと灰皿ちょうだい」

だるそうに言われて
私は大きく「はい」と返事をしてコーヒーの用意。

畑山さんは壁に叩きつけられた自分のマグカップを片付けて、そっとそのまま逃げようとするけれど

「逃げんなよ!」って怒鳴られたから、半泣きで自分の席に戻る。

私は彼女にコーヒーを出して「すいません。灰皿が無くて」と謝ると「え?いいよこれで」と、辺りを見回し畑山さんのデスクからペン立てをつかみ、中に入ってるペンを畑山さんの机にバラまいた。

されるがままの探偵先生。

悲しいぜ。





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