謎は流しておしまい~迷探偵とやめたい助手~(仮)

「軽く20万は損したわ。あんたのせいでね」

ヘビににらまれた蛙というのは
このような状態なのだろう。
今日は勉強になる日だ。

「終わったもんはしょうがないけど、今度邪魔したら腕の一本ぐらい覚悟しな。うちの社員は有能なのが多いから」

「……はい。すいません」
いけにえ前の子羊って方がわかりやすいか。

喪服の彼女は畑山さんの腕を離して冷たく微笑み
「腕の前にあんたの大事なタマタマを、左右逆に入れ替えてやる」と、静かに言った。

とどめを刺されたように
その一言で畑山さんは顔面蒼白。

えっ?デキるの?
そんな器用な事がデキるの?
どうやってやるんだろう
お手玉みたいにデキるの?

てか
めちゃめちゃ痛そう。
持ってないけど。

それから彼女は私に向かって名刺を渡した。

「あんたけっこう度胸あるでしょ」

「はい?」

「私、スカウトもやってんだ。もしよかったら来ない?、各社会保険完備、交通費支給、残業手当あり、賞与年二回、コスプレ制服貸出あり。基本給はここより高いよ」

淡々と言う内容が
しっかりしすぎている。

スゴっ!

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