うちの後輩ナマカワです。
ひとくちめ
店長兼接客兼製造
「いらっしゃいませー♪」
『あぁ、今日も凛々(りり)ちゃんは元気だねぇ。今日はこの食パンとそこのプリンを頂こうかね』
「はいっ！いつもありがとうございます♪」
山奥の辺鄙な場所にあるパンとケーキを売っている小さなお店
pâtisserie REN-パティスリーレン-
本来、ここのオーナーを務めているのは店名の通りレンという人物なのだが、ある日を境に突然姿を消した
元々ここのオーナーの親友だった私の父に一通の手紙を残して
”ちょっと今から出掛けてくる。留守中はあの店を任せたぞ。あ、お前の娘が適任だと思うから宜しく。”
”ちょっと今から出掛けてくる”
「ちょっとっていつまでなのよレンさん…」
お店の窓拭きをしながら独りごちるのは仕方ないと思う
