もしも君と言葉を交わすなら【短編】
私は彼の頰に手を当てる。
ーーーすぐ起こそうかなと思ったけど、もう少しこのままがいい。
彼と同じ布団の中にいる温度が心地いい。
温かくて、ほのかに香る彼の臭いがとっても落ち着くんだ。
すると突然、彼の腕が私の方へと伸びてきた。
「ん………あったかい」
彼の腕が私の背中へと回る。
………起きたのかな?
ドクドクと心臓の鼓動が速くなる。
彼の頰に手を当てたままじっと顔を見つめていると、彼は静かに目を開けた。
「ん……いたんだ。おはよ、”ミア”」