もしも君と言葉を交わすなら【短編】




そう言って彼は柔く微笑んだ。




「お前、来たらすぐ分かるよ。だってあったかいから」




彼は大きな手で私の頭を撫でる。




「ほんと甘えん坊だよな、可愛い」




彼の”可愛い”の一言で私の頰は一瞬にして火照る。



我ながら単純だ、と思うけど今はそんなこと気にしない。




彼が私だけを見つめて、私に優しく言葉をかけてくれるこのひと時がとってもとっても大切で幸せな瞬間だから。






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