ハルとオオカミ
仕事をしっかりやり遂げられる委員長って格好いい。
ついでに成績もトップを維持出来たら、さらに素敵。
私の言葉に、五十嵐くんは意外そうな顔で私を見た後、ふはっと笑った。
「確かに。いつもカッコいいよ、お前は」
胸がまたきゅっと締め付けられる。
五十嵐くんに褒めてもらえて、嬉しくなった。だって、私にとって『いちばん格好いい』は他でもない五十嵐くんだから。
「けど、いっつも格好つけてたら疲れるだろ。たまには気ィ抜けば?」
「……それは五十嵐くんもでしょ」
「俺? 俺は常に気抜いてるよ。超自然体」
ほんとうに?
私、格好いい五十嵐くんしか知らないよ。
君にはちゃんと心を癒す時間があるのかな。私が知らないだけか。
あ。でも昨日、私といると和むって言ってたな。私もちょっとは友達としての役割を果たせてるってことだろうか……。