ハルとオオカミ


「あ、あたしも行く!」

「わかった~。じゃあ私らこのへんで待っとくね」


アキちゃんともうひとりの女子がお手洗いに向かったので、残った三人で駅の入り口付近で待つことになった。


「あー、なんかおなかすいてきた!」

「わかる~。パンケーキ早く食べたい~」


周りは下校途中の学生でいっぱいだ。うちの高校以外の制服も多く見かける。この地域には五校くらい高校があるから、この駅はいつも人が多いんだよね。


「はるちゃんとアキはさ、放課後こーやって寄り道したりする?」

「ん~、あんまりないかも。アキちゃん普段バイトばっかりだから」

「あーそっか。アキ、推し活バイト戦士だもんねえ」


バイトがない日もあるけど、アキちゃんは稼いだお金はできるだけバンドの方に使いたいらしく、私と寄り道してくれることは滅多にない。


そういうドライなところも嫌いじゃないし、付き合いやすいからいいんだけどね。

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