久遠の絆
少女は自室に籠り怯えていた。


夜の帳が下りるにつれ、部屋の中の闇も濃くなっていくというのに、明かりを点けることなく、床に座り込み頭を抱え続けている。


その手首には包帯が巻かれている。


闇の中に白く浮かび上がる包帯。


突然、背にしていたドアが強くノックされた。


彼女はびくりとして顔を上げ、身を強張らせた。


「蘭!いつまでも拗ねていないで、さっさと降りてきてご飯食べなさい!片付かないじゃないの!」


顔が引きつる。


ドアの鍵が掛かっているのをちらりと確認して、蘭はほっと息をついた。


いくらあいつでも、鍵を壊してまで部屋に入っては来られない。


そう思い安心したのもつかの間、彼女の脳裏に数時間前のことが甦ってきた。


「いやっ…………」


声を絞り出すように呟いて、彼女はまた頭を抱えた。


「誰かここから連れ出してっっ!」


彼女の悲壮な叫びを聞いたものは、夜の闇だけだった。
























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