久遠の絆
「そう私は双子なんだ」
「双子……」
「ふふ。そして、双子の妹こそ、本当の伝説の巫女姫なのさ」
目を剥くという表現は、まさにこういう時に使うのだ。
二人の反応を楽しむように、にこにことしているナイルターシャ。
「では、あなたは?なぜ伝説の巫女姫のふりなどなさっているのです?」
カイルも困惑しているようだ。
それはそうだろう。
今まで信じてきたことを、もう一度最初から構築し直さなくてはならないのだから。
「別に悪さをしようっていうんじゃないんだよ。さっきも言ったが、一番の目的は神官どもを欺くためだ」
「……」
「あいつらが一緒だと巫女姫の身がもたない。こき使われるのは目に見えているからね。
妹は病弱だったが、幸い私は強靭にできていた。それに能力も、双子だからか巫女姫に劣らぬものを授かっていたから、身代わりになるには私は最適だったってわけ。
妹にはどこか静かな場所で救い手の気配を探ることのみに集中してもらって、巫女姫として要求される雑事はすべて私が請け負う。
そりゃ、最初は妹も渋ったさ。けれど自分の体をもっと可愛がれって、私は言ってやったんだよ。もう十分すぎるくらい、妹はよく働いたから。だから……。
あの子は……巫女姫であろうと何だろうと、たった一人の私のかけがえのない妹なんだからね」
「……」