久遠の絆
その時高らかな声が上がった。






「同盟軍総司令官 ガルーダ総帥シド・フォーン閣下 万歳!!」






その場の兵士達も一斉に万歳を唱和する。


穏やかな笑みを浮かべたシド・フォーンが隻眼の部下に何やら耳打ちした。


そして彼を従え、タラップを降りきった。。









それを見ていた蘭の背筋には悪寒が走った。


嫌な予感ばかりがしていた。














そのまま集落の方へと歩いて行くシド・フォーンや部下達の一挙手一投足を見逃すまいと、蘭は木陰からじっと見続けていた。


いまだ煙の上がる集落の住人達はどうなったのだろうか。


これからあの兵士達にもっと酷い目に合わされるのだとしたら?


そう思うと蘭は居ても立ってもいられなくなるが、しかしだからと言って彼女に何が出
来るわけでもない。


だからその憤りを紛らわすために、木肌が剥がれるほどの力で幹を掴んでいることしか出来なかった。


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