久遠の絆
わたしじゃないと?


ナイルターシャから託されたものだ。


自然緊張で手が震えた。


ゆっくりとした動作で蓋に手を掛ける。


これを開けてしまえば、本当に後戻りは出来ない。


そう思った。


そして、その中にあったのは……。


「これは……」


瑠璃の石の嵌め込まれた指輪だった。


「嵌めてみて」


そう言われたが、リングのサイズはやや大きいようだった。


躊躇う蘭に、マトは再度嵌めるように促す。


「きっと、すかすかだよ」


言いながらリングに指を通してみた。


すると不思議なことに、まるであつらえたようにぴったりだったのだ。


「え、大きかったはずなのに」


驚く蘭に、マトは


「君がそうなのだと、瑠璃の石も認めたんだ」


と、事前にナイルターシャからそう教えられていたのだと語った。


「瑠璃の石が……?」


ではこの石とはどういった物なのか。


当事者である蘭よりも、マトの方がより多くのことを知っているような気がした。


「ねえ、マト。その……ナイルターシャさまはどこにいらっしゃるの?」


先程から彼はそのことに触れないようにしている節があった。


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