久遠の絆
目覚めると、自室ではなかった。
はっきりとしない頭を懸命に動かし、シドはこの状況をなんとか把握しようと努めている。
やがて、ここが自分のために特別に造られた『隠れ家』だと理解した。
(ああ、俺はまた……)
だが何も覚えていなかった。
ここにどうやって来たのかも。
昨夜ここでどのように過ごしたのかも。
何ひとつ覚えてはいないのだ。
記憶は、昨日の夕方ヘラルドと会話した場面までと、それから先程目覚めてからのこと。
その間が、ない。
ともすれば不安に苛まれそうになる気持ちをぐっと堪え、シドはようやく起き上がった。
冬間近の朝の光が、薄く窓から差し込んでいた。
はっきりとしない頭を懸命に動かし、シドはこの状況をなんとか把握しようと努めている。
やがて、ここが自分のために特別に造られた『隠れ家』だと理解した。
(ああ、俺はまた……)
だが何も覚えていなかった。
ここにどうやって来たのかも。
昨夜ここでどのように過ごしたのかも。
何ひとつ覚えてはいないのだ。
記憶は、昨日の夕方ヘラルドと会話した場面までと、それから先程目覚めてからのこと。
その間が、ない。
ともすれば不安に苛まれそうになる気持ちをぐっと堪え、シドはようやく起き上がった。
冬間近の朝の光が、薄く窓から差し込んでいた。