久遠の絆
「帝国のものと、共に歩む?」
力強くうなずく蘭を、シドは呆然と見つめ返している。
そんなこと考えたこともないのだろう。
でも。
彼が『側にいて』とすがるように見た目を忘れられないから。
そして帝国の人たちを敵じゃなく、もう一度仲間だと思って欲しいから。
蘭は懸命に言葉を選んで言った。
「肉親に辛く当たられるほど悲しいことはないけれど、でもその分親身になってくれる人達がいます。この世界に来て、わたしは初めてそれを知りました。
おこがましいかもしれないけど……。」
そこで蘭は一旦言葉を切り、シドを見つめた。
思いが伝わるように。
「わたしと友達になってください」
眉を寄せるシドの反応に、蘭は体中から汗が吹き出した。
(やっぱり無理なのかな?伝わらないのかな、シド・フォーンには……)
不意にシドが立ち上がった。
蘭は怒られるのかと、びくりとして目を閉じた。
けれど彼は思いのほか優しい声で言ったのだ。
シドがそんな声を出すなんて、蘭は一瞬また彼がもうひとつの人格と入れ代わったのかと思った。
しかしそうではないらしい。
彼の瞳の強く鋭い光は変わることなく、声だけは優しく彼は言ったのだ。
「何故、俺のことをそこまで?」
蘭はどきどきしながら答えた。
「それは……本当にシドさんともっと仲良くなりたいって思ってるから。それに」
「それに?」
「シドさんの病気を治したい」
「俺の病気?」
シドの怪訝な表情に、蘭は告げるべきか迷った。
でもここで挫たら、きっとシドのためにならない。
自分の病気のことを自分自身が知らないなんて、やっぱり不自然だから。
力強くうなずく蘭を、シドは呆然と見つめ返している。
そんなこと考えたこともないのだろう。
でも。
彼が『側にいて』とすがるように見た目を忘れられないから。
そして帝国の人たちを敵じゃなく、もう一度仲間だと思って欲しいから。
蘭は懸命に言葉を選んで言った。
「肉親に辛く当たられるほど悲しいことはないけれど、でもその分親身になってくれる人達がいます。この世界に来て、わたしは初めてそれを知りました。
おこがましいかもしれないけど……。」
そこで蘭は一旦言葉を切り、シドを見つめた。
思いが伝わるように。
「わたしと友達になってください」
眉を寄せるシドの反応に、蘭は体中から汗が吹き出した。
(やっぱり無理なのかな?伝わらないのかな、シド・フォーンには……)
不意にシドが立ち上がった。
蘭は怒られるのかと、びくりとして目を閉じた。
けれど彼は思いのほか優しい声で言ったのだ。
シドがそんな声を出すなんて、蘭は一瞬また彼がもうひとつの人格と入れ代わったのかと思った。
しかしそうではないらしい。
彼の瞳の強く鋭い光は変わることなく、声だけは優しく彼は言ったのだ。
「何故、俺のことをそこまで?」
蘭はどきどきしながら答えた。
「それは……本当にシドさんともっと仲良くなりたいって思ってるから。それに」
「それに?」
「シドさんの病気を治したい」
「俺の病気?」
シドの怪訝な表情に、蘭は告げるべきか迷った。
でもここで挫たら、きっとシドのためにならない。
自分の病気のことを自分自身が知らないなんて、やっぱり不自然だから。