久遠の絆
それは、帝国と反帝国同盟との戦いだった。


同盟の中心国ガルーダは、南の大陸に突如現れた新興の国だった。


しかし圧倒的な武力と兵力を持っており、帝国の豊かな領土を狙う南の国々の先頭に立つに至ったのだ。


どこから来たのか、まったく謎に包まれている新興国ガルーダ。


だがその武力と統率のとれた軍隊は決して俄か仕込みではなかったため、同盟の国々からの信頼を得ていた。


その信頼は、戦況が同盟に有利なものになるにつれて、より強固なものになっていった。


優勢なはずの帝国のほうが押され気味だったのだ。


先日ついに同盟軍が北の大陸、つまり帝国領土に上陸するに至った。


帝国にとっては、人も物資もすべてを投入する総力戦。


幾世紀もの長きに渡って繁栄を極めた帝国の、落日とも言うべき姿がそこにはあった。











ガルーダ総帥シド・フォーン。


漆黒の髪と瞳を持つ若き青年が、墜ち行く帝国に総攻撃を開始するまであと数日。


その時は確実に迫っていた……。















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