久遠の絆
(ええっ、シドも行っちゃうの~?)
あんなにもカイルと話したいと思っていたのに、いざ二人きりにされてしまうとどう接していいのか分からなくなった。
(シドにもいてほしいと思うなんて……)
注がれるカイルの視線から逃れたいと思うとは、自分でも驚きだった。
(カイルといたくないわけじゃない。ただ、久しぶり過ぎて……)
そして。
彼の美貌に一層の清冽さが加わっているのも一因と思われた。
以前の彼にはなかった鋭さが、その美貌をさらに人知を超えたものにしてしまっている。
(カイルって、綺麗過ぎるよ)
シドも綺麗だけど。
カイルのそれとはまた違う。
(神様みたいだもん)
蘭は顔を真っ赤にしたまま俯いてしまっていた。
そんな彼女を、カイルは間近に会えた喜びも高揚感もすべて胸の中に押し隠して、ただいつもの穏やかな視線だけを向けている。
思うのは一つだけ。
彼女が元気でいてくれて良かった、ということだけだ。
それぞれがそれぞれの思いを抱いて無言で向き合ったまま、時間ばかりが過ぎていった。
それでもこのまま時間切れになってしまうのは困る。
蘭は勇気を振り絞って顔を上げた。
が、カイルと目があった途端にまた俯いてしまった。
(だ、だめだ……)
どうしたらいいのか分からない。
するとカイルが助け舟を出すかのように話し掛けてくれた。
「こうして再びお会い出来ることを、何度神に祈ったことか……。ご無事で良かった」
少し低めの、耳に心地好い声。
その声を聞くだけで、蘭の胸は震えた。
(ああ……カイルだ……)
ゆっくり顔を上げた。
少し潤んでいるようにも見える薄緑色の瞳に見つめられていた。
吸い込まれそうだった。
あんなにもカイルと話したいと思っていたのに、いざ二人きりにされてしまうとどう接していいのか分からなくなった。
(シドにもいてほしいと思うなんて……)
注がれるカイルの視線から逃れたいと思うとは、自分でも驚きだった。
(カイルといたくないわけじゃない。ただ、久しぶり過ぎて……)
そして。
彼の美貌に一層の清冽さが加わっているのも一因と思われた。
以前の彼にはなかった鋭さが、その美貌をさらに人知を超えたものにしてしまっている。
(カイルって、綺麗過ぎるよ)
シドも綺麗だけど。
カイルのそれとはまた違う。
(神様みたいだもん)
蘭は顔を真っ赤にしたまま俯いてしまっていた。
そんな彼女を、カイルは間近に会えた喜びも高揚感もすべて胸の中に押し隠して、ただいつもの穏やかな視線だけを向けている。
思うのは一つだけ。
彼女が元気でいてくれて良かった、ということだけだ。
それぞれがそれぞれの思いを抱いて無言で向き合ったまま、時間ばかりが過ぎていった。
それでもこのまま時間切れになってしまうのは困る。
蘭は勇気を振り絞って顔を上げた。
が、カイルと目があった途端にまた俯いてしまった。
(だ、だめだ……)
どうしたらいいのか分からない。
するとカイルが助け舟を出すかのように話し掛けてくれた。
「こうして再びお会い出来ることを、何度神に祈ったことか……。ご無事で良かった」
少し低めの、耳に心地好い声。
その声を聞くだけで、蘭の胸は震えた。
(ああ……カイルだ……)
ゆっくり顔を上げた。
少し潤んでいるようにも見える薄緑色の瞳に見つめられていた。
吸い込まれそうだった。