久遠の絆
◇◇◇







荒野に横たわる男がひとり。


風が吹きすさぶ中、ようやく意識が戻ったのか、むくりと起き上がった。


軍服は砂にまみれ、元の色が黒であったのが分からないくらいだ。


彼は起き上がった途端、頭を押さえ跪いた。


脈拍のように繰り返される頭痛。


その腹の立つような鈍い痛みに、シドは顔をしかめた。


しかしその痛みと引き換えに、彼はすべてを思い出していた。


「蘭……」


その名を口にした瞬間、胸に広がる暖かく、優しい感情。


自分は何故それを忘れていたのだろう。


「お前の傍が、俺のいるべき場所だ」







帰ろう




ガルーダへ




そして




もうけして、お前を離さない。















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